スキューバは陸では見られない幻想的な色に魅了される

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海の中では地上では見ることができない、幻想的な色に出喰わすことが度々ある。特に晴れた日の南国では、甲殻類を初めイソギンチャクや珊瑚種などの他、魚が実に綺麗な色をしている。南国の魚は何故綺麗かと云えば、太陽光線が直角に近い角度で海に入る為、光の成分やエネルギーの損失が少なく、様々な色が眩く発色するのが原因と云われている。
実際にスキューバダイビングをやらない人でもテレビや映画でなどで、美しい光景は見ているだろうが、蟹には驚かさる。カニの色は毛ガニやズワイガニに代表されるように、どりらかと云えば茶に近い色をしているが、水中では毳毳強い色をした蟹もいる。これは口で説明しても分かってもらえない、潜った人間しか分からないものだ。

なんと云っても急浮上は時には植物人間にする可能性がある

スキューバダイビングは非常に危険なスポーツで、一番は慣れが危険だ。初心者の頃は、基本通りにダイビングするが、少し慣れてくる頃が危ない。例えば潜水する時は多少強引に潜ってもあまり問題はないが、何と云っても浮上する時が問題だ。浮上する時は自分が吐いたのエアーのアブクではなく、それを取り巻く小さな泡と同じ速度で浮上しなければない。それが慣れてしまうと、その小さな泡より早く浮上しがちになる。著者も経験があるが、朝目覚めると何か温かく黄色いものが枕に付着している。よくよく見たら耳から出た「膿」だった。慌てて病院に行こうと思ったが、生憎その日は日曜日で病院は休み。確か日曜でも当直院があるはずだと探し、耳鼻咽喉科を訪ねて治療はしてもらったがすぐには治らない。時間が経つにつれ耳が聞こえなくなった。電話がくると良く聞こえないので、だんだん声が大きくなる。「お前、なに怒鳴っているの」を云われてしまう。向かい合っているの時は、あまり聞こえなくても口の動くとか動作っでなんとなく分かるが、後ろから声を掛けられた全然分からなかった。要するに中耳炎になっていたのだ。

エアーエンボリズムになると怖い。急浮上には気ををつけよう

もっと怖いが、エアーエンボリズム(外傷性空気塞栓症)だ。これは急激に浮上すると肺の空気が膨張して破裂してしまう、その結果、血管中にその空気が入ってしまって血流を止めてしまう。肺の過膨張による最も危険な障害です。周りの圧力(環境圧)が減少して、肺の最大容積以上に膨張した空気が入り、肺の中の肺胞を破いて毛細血管に入り、血液の流れに乗って心臓に行き、そこから動脈によって全身に運ばれしまう。これは死に至る場合もあるらしい。このエンボ(エアーエンボリズム)が一番怖い。それとレギュレーターのマウスピースだ、初めはマウスピースをガッチリと噛んでいるのだが、これも慣れてくると軽く口に入れとく位の感じで、今にも口から外れて今しそうなのだ。スキューバダイビングで大事なことは耳抜きで、例えば飛行機に乗った時に、気圧のせいで耳が痛くなる時があると思うが、スキューバダイビングでも同じ現象が起きる。その場合は鼻を摘んでフンを鼻を噛む要領で耳抜きをする。初心で良く見かけるが、この耳抜きができなくてスキューバダイビングを断念した人も多い。

地元の漁協とは毎回イザコザが絶えない日本の海

スキューバダイビングをやっていると漁業組合とイザコザが絶えない。我々は単純にスキューバダイビングを楽しんでいるだけなのだが、漁業組合は「この海はワシらに漁業権があるんだ」と云い海産物の「養殖をしているたしい。「お前らは潜っていて、もしもアワビやウニがあったら、なにもせずにいられるのか」と訊いてくる。「そんな物は獲りませんよ」と言い返すが、実際は手を出さずに素通りはできないと思う。日本人は元々は狩猟民族なので、そのような獲物があった血が騒ぐぎ、ツイツイ手を出してしまうだろう。日本の海には殆どが漁業権あり、漁師は違口同音で「この海は我々が苦労して養殖をしているので」と場所が変わっても漁師は同じこと云う。

浮上したら船はなく、陸は遥か遠くに見える

ある時にダイバー仲間が「親戚の漁師が船を出してくれるって云うんだけど」と云い出した。数日後、その言葉に誘われ総勢10名でその海に行った。ここは鰈がウジャウジャいるらしいと聴き、勇んで船に飛び乗った。10分ほども沖に出た頃、そこが目指していたポイントらしい。船頭の「この辺だ」の一声で皆んは水中銃を片手に海の中に消えた、海底は10mほどの砂地で、いかにも鰈がいそうな感じがした。しかし10分経っても鰈はいそうにもない。著者のタンクは10リットルのダブルで200気圧なので、海の深さによって違うが、上手に使うと90分位は潜っていられる。因みに車のタイヤの気圧は2.0〜2.5だと思うが、タンクは200気圧もあり空気だけでも8kgくらいにはなる。エントリーしてポイントからあまり移動してならないのがルールだ。10mの海底から見上げると船の底が確認できる。一向に鰈がいる気配はない、仲間のダイバーにはタンクの容量が少なく、浮上していくものもいた。著者も90分近く潜ってエアーもなくなりかけたので浮上した。

船に置いてけぼりを喰らい、陸が遠く死ぬかと思った

ところが船がいない。近くにいた仲間がいたが誰一人船がいなくなった事情は知らない。このまま待っていても仕方ないので、陸まで泳ぐことにした。エアーでも残っていれば楽なのだが、エアーが切れているので、シュノーケルで陸に向かった。タンクや装備を入れると25kgくらいにはなる。それでシュノーケルで戻るのは辛い。何度かタンクを捨てようか迷ったが、タンクは買ったばかり。買った金額が脳裏を過ぎる。なんとか陸に辿り着き、船がいなくなった事情が分かった。その海の漁協の監視が廻ってきて駄目だと云われたらしい。それにしても無責任だ。監視が来ても「潜っている人がいるので、上がって来るまで待ちたい」と何故云えないのか憤慨した。

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